展覧会概要
子供の頃からよく夢を見ていた。
日差しが照りつけている時、水影を見つめている時、穴を覗く時、一つの空間から別の空間に踏み込む時、愛する人が隣に座ってる時、思い出がよみがえる時。
このような瞬間、現実と夢の境界線はいつも曖昧だと感じていた。
これまでの全ての経験は真実なのか、確かめる方法はあるでしょうか。
気付かないうちに、無意識に手がかりを探し始めた。
人間はそれぞれの感覚や経験を持ち、共感できない時も多いはずだが、遠い昔の人と同じ景色を見る時、何故か彼らが語った同じ感動を感じていた気がした。
現実と夢、自身と他者
意識はまるで霧の中で、掴むところのない海に包まれた島にいるような感覚だった。
写真機のファンダーから覗いた世界は夢のように不確定だったが、フィルムに露光した瞬間一つの事実が確定する。
写真を通して他人と共感するのも、私にとって一つの出口だった。
私たちは深い海のどこかで繋がっています。
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今回展示する作品は、作者の記憶や無意識に惹かれるもの、夢と現実の区別がつかなくなるような瞬間からインスピレーションを得ています。